ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノの三人の監督が東京を舞台にした短編を撮りました。

外国人から見たTOKYOはとても個性的で魅力あふれる都市のようですが、映画の冒頭、俯瞰で映される大都会の街並は看板や電線が張り巡らされた灰色のビルだらけでどう転んでも美しいとは言い難いものでした。
「うへ~…やっぱ東京は汚い…」がまず私の第一印象。
そんな大都会東京での第一話
「インテリア・デザイン」byミシェル・ゴンドリー@NY
監督の驚きの視線がそのまま映像になってます。建物と建物の間の細くて狭い隙間。お金のない若いカップル(加瀬亮と藤谷文子)が二人で暮らすための物件めぐりに登場する狭くて汚いボロアパート。ちょっとした買い物でもキレイにきちんとラッピングする習慣などなど…そんな風景を映し出しながら、カップルの女の子の孤独感や焦燥感を描き出し、「え~こんな結末?」とびっくりの大変ユニークな後半。
「自分は誰の役にも立ってないんじゃないか…?何のために生きてるんだろー?」と青春時代、誰もが一度は考えたことのある気持ちをあーいう風にまとめるのね。とてもシュールな作品です。
三軒茶屋の映画館(入口は三茶中央劇場で座席は三茶シネマかな)が出てきてました。
あと加瀬亮がバイトするのは銀座のたち吉だったような…?
そうそう、ほかに妻夫木くんも大森南朋も出演してるんです。たった30分の映画なのに豪華~っ!
第二話
「メルド」byレオス・カラックス@Paris
メルドはフランス語で「くそ」って意味らしい。
とにかく初っ端、渋谷のビルのネオンに映し出されるのは大きな「糞」という漢字。(監督、この字が気に入ったのかもね^^;)
そして都会では、マンホールから突然地上にあらわれ世間を恐怖に陥れている”下水道の怪人”と呼ばれる謎の人物メルドが出没。
彼は銀座の目抜き通りを通りすがりの人に悪事を働きながら怪獣のように歩き、渋谷、Tokyuプラザ側の歩道橋では手榴弾を投げまくり何十人もの人を殺害、歩道橋の階段には累々と血まみれの死体。逮捕されて自分のしたことについて問われると「私は人間が大嫌い。その中でも特に日本人が一番嫌いなのです。」と言ったりする正真正銘のkuso野郎に描かれています。
あまりにも清潔で整然とした東京にいきなりクソを投げ込んだ監督。そのときの人間のパニック度はいかばかりか。
だってそのクソは圧倒的な迫力で歩行者に突進してくるんですから「ぎゃ~っ!」てなもんです。
テーマは「不条理」でしょうか。
捕らわれたはずのメルドは結局脱出してしまい、次回はニューヨーク編!となってましたよ。
銀座も渋谷もゲリラ撮影だったようです。よくやったよな~。
第三話
「シェイキング東京」byポン・ジュノ@Seoul
こちら舞台は都会の風景ではなく、東京の住宅街。
10年間引きこもりの男(香川照之)。彼は完璧なまでに家の中をきちっと整理整頓し、一歩も外に出ず誰とも目を合わせることなく暮しています。しかし、ある日、ピザ宅配の女の子(蒼井優)に声をかけられ、目を合わせてしまい、そのとたん大地震が起こって…
男の心の揺れを「地震」という形で表現しているようです。
「ゆれる」というのを何度か香川照之に言わせるんだけど、彼「ゆれる」って映画に出てますよね。洒落(笑)?
蒼井優はめっきり痩せてしまったけれど、心に残る印象的な表情をする女優さんですね。
彼女なら男の引きこもりを治せるだろーのオーラ。
どの作品も風変わりで面白かったです。
期待せずにふらっと入ったのですが、珍しく寝ませんでした。
それにしても、香川照之とともに最近、加瀬亮も「あっちにもこっちにも加瀬亮」状態になってますね。
作品ごとに雰囲気が全然違うので驚きます。
いい役者さんなんですね。