昨晩はアマン写真に見とれて夜更かし。たしか吉本ばななもバリ行ってたよな~椎名誠のあやしい探検隊も行ったはず、と夜中にごそごそと本を探し出し「
マリカの永い夜~バリ夢日記」と「
あやしい探検隊~バリ島横恋慕」のホテルアマンダリ編を読んでしまいました。


まずはホテル・アマンダリに到着した吉本ばなな。長い引用ですがアマンリゾーツの世界が目の前に広がるような美しい、女性ならではの繊細な描写です。
「すばらしい。
まず、建物がすばらしい。
フロントは吹き抜けの廊下のど真ん中にさりげなく置かれたテーブル。チェックインまでは広大な山と渓谷を見降ろしながら、冷たくて美しいドリンクを飲む。
プール!このプールが忘れられない。
濃い緑のタイルが敷き詰められた広いプールは、ふちのところがうまい具合にななめにカットされていて常に水が流れている。そのため、あたかも崖に向かってふちなしの水がプールのラインに沿って浮いているように見える。
そしてその向こうは、どこまでも深い谷、椰子の木がバリの絵画そっくりに折り重なって、タイルよりももっと濃い緑がいちめんに広がっていく。
みんな、さすがに喜んでいる。
緑豊かな小道を通って、部屋に案内される。また驚く。部屋というのは、一軒の家を意味するのだ。
その家はとにかく広い。渓谷を見下ろす大きな窓と、広いベッドと、大理石の床でできている。はるかに高い天井は、バリ式の竹天井だ。
真ん中の大きな丸テーブルには、山盛りのフルーツと、よく冷えたウェルカムワインが用意されている。洗面台はひとりひとつ。広く、ぱりっと白いタオルがいく枚もあり、バスローブもある。
風呂は外にあって、熱いお湯がふんだんに出る。
インテリアもすばらしい。一分のすきもなかった。3人のデザイナーが共同でプロデュースしたそうだ。完璧だった。夢のような場所だった。」
一方、同じようにホテル・アマンダリについた”あやしい探検隊”椎名誠。タイトルはなぜか「お笑いアマンダリ」。
「ホテルはもうすでにフロントからして「すごいんだかんな」「なめんなよ」という荘重なしつらえで、われわれはわれわれで「いちおうカネはあるんだかんな」「なめんなよな」という力をみなぎらせて入って行った。(中略)通されたところは、コテージといっても日本的にいうともうりっぱな二階建ての一戸建て豪邸であり、あちこちに素晴らしい装飾品が置かれ、ベッドルームは大きなものがふたつ、トイレが三つ、庭の中にはプライベートプールまであるのだ。そこにいたるまでに、このようなホテルに泊まったことのないわれわれはすばやく逆上し、各部屋はを覗きまくり、三つのトイレでそれぞれ小便をした。忙しい忙しい。」
となるのであります。
なんと男らしいアマンダリ体験でありましょうか(笑)椎名誠は常に探検家の視点なのですね。この文章の後も、引き出しを開けたり閉めたりして部屋のあらゆるところを点検するのです。
それからどうしてアマンで引きこもりたくなるか、そのヒントがちょっとわかりました。
「これだけの高級ホテルだから、料金分だけずっとそこにいるべきだ」ということをメンバーの一人が意見するのです。
そりゃそうだ!
でも結局、探検隊はアマンダリの部屋の探検が終わったら、さっさと車に乗って近郊の村の寺院で行われるケチャックダンスを見に行ってしまうのでした。
もったいな~い!
女性だったら、吉本ばななのように「このアマンダリに愛された~い」と素直にひれふすだろうに、男椎名誠は最初から対等で挑戦的。さらに入った途端、小便をしてマーキングとは相手にマウンティングをして力を誇示するおサルのよう!
テーブルの上に置かれた山盛りのフルーツも吉本ばななの文章な中だとセザンヌの静物画を想像させますが、
椎名誠にかかると「部屋の石づくりのテーブルの上には名も知らぬ南国のフルーツが山と積まれ、これすなわちすべてわれわれが食べてよいのであった。」とやはりバナナを前にして興奮するおサル状態なのでありました。
夏の旅行のホテルはどこにしよーなんてガイドブックを眺めていると夫は「ホテルなんて寝に帰るだけだろ。どこだっていい!」ってバカにしたように言うのよね。
一緒に大人の日帰り遠足はできても旅行は無理ね。