映画が公開されたとき、短編だからと本屋でちゃちゃっと立ち読みしただけでしたが、うーんやっぱり立ち読みはよくありませんな。
短編だからと侮らず家でじっくり読まないと(^^;)って思いました。
コニコさんがこの本のことを小川洋子のおススメ本として紹介されていたので私も読みたくなりブックオフで100円で買いました。
この本は9つの女と男の物語が収められていますが、どれもがフツーじゃない関係。人には言えない、こっそりとした男女のなまめかしい不思議な愛の物語なのです。
文庫本の山田詠美の解説もふるってます。
田辺さんの小説は”今の男の腰を枕にして、昔の男と少しいけないことをしているような気持になりながら電話でおしゃべりしているようなもの”だって。
さすがボーダレスの恋愛を展開されているエイミー。
なんとも例えが大胆。でもエイミーの場合、インターナショナルな恋愛マスターだから、昔の男と今の男の母国語が違う場合もあるのでそれもあり?って感じですが。
エイミーが特に好きでたまらないという「恋の棺」。オバサンな私もこれが一番かなーとも思いましたが、この短編の中に西條八十の詩が引用されていました。
西條八十といえば映画「人間の証明」で使われた「お母さん、ぼくのあの帽子、どこ行っちゃったんでしょうね」しか知らなかったのですが、こんな詩もあったんですね。
「われら、山頂の黒き土に巨(おほい)なる穴をうがち、人知れず恋の棺を埋(うづ)めむ…
語りえぬ二人の恋なればわれらが棺の上に草生(お)ふる日にも絶えて知るひとの無かるべし」
山田詠美の「放課後の音符」にも確か同じような表現があって印象に残ってます。
「女の子は人知れずこっそり恋にお砂をかけて埋葬する」みたいな表現でした。(ブックオフに売っちゃって手元になく残念)
まー、とにもかくにもそんな表現が似合うなんとも色っぽい短編集なのでした。